アレックス・デミノー

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ホームコラム・寄稿特別コラム新春特別コラム:2022年の日本経済を読む~この国の新しいかたち 新春特別コラム:2022年の日本経済を読む~この国の新しいかたち DX投資で生産性を上げて賃金を上げよう ツイート 印刷 岩本 晃一 リサーチアソシエイト 1 はじめに 先日の衆院総選挙では、各党とも経済政策として「配分」に重点を置くことを主張した。約30年間賃金が上昇していないという指摘がある中で誕生した第二次安倍政権は、「アベノミクス」を実施し、「トリクルダウン」により経済成長の果実を広く国民に波及させることを目指したが、当初想定していた「トリクルダウン」がほとんど起きず、一部の層に富が蓄積されたままで、大多数の国民の賃金はほとんど上昇しなかった。人間にとって、どんなに一生懸命働いても長期にわたって賃金が上がらないというのは悲しい。働く意欲を失ってしまう。それが日本経済の低迷にもつながっているのではないか。 人間は、自分が働いて出した成果に比例する分だけ賃金が上がれば、満足するものだ。この当たり前の現象が長らく日本では見られていない。 賃金の伸び率(実質)は、労働生産性の伸び率、交易条件の変化、労働分配率の変化により決まるとされている。これまで、労働生産性は、絶対水準が低いだけでなく、その伸びも少なかったが、少ないながらも、多少は上昇していた(注1)。しかし、労働分配率が低下し続けた(注2)ため、賃金は、ほとんど変わらなかった。そして、賃金の安い非正規雇用者が大量に発生することとなった。非正規雇用者は、最終的には仕事に責任を持たないので、非正規雇用者の大量雇用が、日本製の製品・サービスの質を低下させたとする専門家もいる。国家財政は赤字が拡大しながら民間企業の内部留保は増加し続けたのである(注3)。 賃金が上昇しない背景にはさまざまな要因があるが、本稿では、生産性を上げることにより、賃金上昇を促すという基本的なアプローチを検討する。 2 DX投資を加速する日本企業 今、第四次産業革命の真っただ中にあり、世界中の企業がDX化を推し進めていたが、COVID-19の影響で大きく落ち込んだ業績を回復するため、DX化の流れを一気に加速している。わが国企業も、DX投資を増やす傾向がみられる。 「社長100人アンケート」によれば、2021年度のDX投資を2020年度よりも増やす企業は73.4%、その増加の割合も3割以上が約40%となっている。 2021年度のDX投資を20年度よりも 増やす 73.4%   減らす 3.3%   変わらない 23.3% 増やす企業 増加の割合  1割 28.2%  2割 32.4%  3割以上 39.4% 出典)「社長100人アンケート」(日本経済新聞社)2021年4月5日発表 *国内主要企業の社長(会長などを含む)を対象に、2021年3月12日から29日に実施し、141社から回答。新聞以外では公開されていない。 3 賃金を上げる方向に向かうDX投資とは何か 賃金を上げる源は企業の「付加価値」である。では、付加価値を増やすDXとは何か。 日本企業のDX投資の主流は「売り上げをそのままにして、コストを削減することで利益を増やす」「守りの投資」と呼ばれるものであり、「コスト削減でなく売り上げを増やすことで利益を増やす」「攻めの投資」と呼ばれる方向にはあまり向かわない。日本企業のこうした傾向は、過去、さまざまな調査によって明らかにされてきており、いまだにその傾向はほとんど変わっていない。 図表1 国内企業がICTにより解決した経営課題の領域 出典)情報通信白書(平成30年版) 「守りの投資」は、売り上げ自体を増やさないので、投資対効果が小さく、投資金額の割に利益がさほど生まれず、投資対効果が小さい。にもかかわらず、なぜ経営者は「守りの投資」を行うのか、この点に関する調査分析は筆者が知る限り存在しないので、筆者は中小企業の社長に会うと、この質問を行い、以下のような仮説を持つに至った。 ①守りの投資とは、要は人間が行ってきた作業を、そのまま機械に代替させるものである。デジタルのことがわからない経営者でも、この原理は簡単に理解できる。そもそもこれまで機械設備の投入自体が、人間の作業を機械に置き換えるものであったため、デジタル投資も同じ発想で捉えるのであろう。デジタル投資を行い、ビジネスモデルを変えて売り上げを増やすという発想を経営者が持つことはほとんどまれである。 ②日本の中小企業のうち、約2/3は系列の傘下にある下請けである。親企業から発注された分を生産し、出来上がれば全て買い上げてくれる。この取引では、自社の努力で売り上げを増やすことはできない。利益を出そうとすれば、守りの投資を行う以外にはない。長年、そうした行動を行ってくると、「売り上げをそのままにして、コストを削減することで利益を増やす」ことしか思いつかなくなるのだろう。 「守りの投資」では、従業員にとっては、次は自分の首が切られるのではないかと疑心暗鬼になり、会社の雰囲気が暗くなる。日本企業の経営者が、「守りの投資」の傾向を持つことが、日本企業のDX投資が世界の周回遅れと言われる最も大きな原因である。「守りの投資」はコスト削減に向かうものであり、賃金カットを同時に伴うこともある。 「コスト削減でなく売り上げを増やすことで利益を増やす」「攻めの投資」は、売り上げを増やすことで利益を増やす。その増える利益は「守りの投資」によって生まれる利益よりも大きい場合が多く、なによりも従業員が「わくわく感」を感じる。そして、生まれた利益を従業員に配分することで、残業削減、有給消化、育休取得、賃金増、ボーナス増などが生まれることが多く、従業員は喜ぶ。「攻めの投資」は、賃金を上げる方向に向かうものであり、今の政治課題に応えるものである。 それでは具体的にどのようなものが「攻めの投資」か。製造業を対象に、その事例を紹介したい。 製造業のDX投資は大きく次の4つの領域に分類される。 ①工場の生産現場  ②製品の販売 ③製品へのデジタル技術の実装化  ④アフターメンテナンス (1) 工場の生産現場 DXを用いて、工場の中の全ての稼働しているモノの動作をきめ細かく把握し、生産性が低い箇所、非効率な箇所を突き止め、その原因を人間またはAIにより解明・改善し、工場内の全ての箇所で生産性を上げていく手法である。 ①機械設備・生産ラインは、電気信号の取り出し、センサーによる感知、AIカメラによる画像などにより、稼働状況を把握する。 ②人間の動きは、AIカメラにより、その動きを把握する。 ③原材料・部品・半完成品は、それらにRFタグを付けて、その動きを把握する。 (2) 製品の販売 現在は、消費ニーズの平均値の製品を大量に生産し販売するマス・プロダクションと呼ばれる手法である。だが、「早い、大容量、安い、小さい」、というデジタル技術が進化すると、個人のニーズに合った製品を個別に生産・販売する、いわゆる「カスタマイゼーション」が可能になり、従来、取りこぼしてきた市場を獲得できる。 個々人のアプリやSNSなどの操作情報から、その個人のニーズや指向をAIが読み取り、その個人に合ったマーケテイングを行うこともできる。例えば、靴の中にいくつかセンサーを埋め込んでおき、靴の使用状況をAIが把握する。靴が、摩耗して使えなくなる直前に、個人のスマホに、間もなく靴が履けなくなるというアラームとその個人のニーズに合ったいくつか靴の宣伝を送ることができる。「今、この靴を買うと、〇%安く入手できます。」という宣伝文句も一緒に入れておくと、多くの人は新しい靴を購入するだろう。しかもAIが読み取ったその個人のニーズや指向に基づき、価格を変える、という価格カスタマイゼーションの手法を採用することで、企業は個々人に対する製品と価格の最適化を実現し、利益の最大化を達成することが可能になる。 今、ネットなどで行われているカスタマイズされた宣伝販売法が、さらに大規模、かつきめ細かく、全ての製品と全ての人間に対して行うことができるようになる。マス・プロダクション、マスセールスからカスタマイズ・プロダクション、カスタマイズセールスへの変化を可能にする。 (3) 製品へのデジタル技術の実装化 製品に新たな付加価値を付け加え、他社と差別化し、利益を得るために、製品にデジタル技術を実装化する。 例えば、人間がなかなか立ち入れない場所で稼働している重機が故障する直前にサービス員がかけつけ、止まらない重機が実現する。もし深い山中の露天掘りの現場で、重機が故障すれば、巨額の損失が発生する。鉄道車両のセンサーからのデータを監視することで、故障・停止しない車両、時間通りに運行する鉄道が可能になる。 (4) アフターメンテナンス 製品を販売する、というのが現在の製造業が収益を得る中核的事業形態であるが、今後、アフターメンテナンスが、販売に次ぐ、第二の大きな収益源として拡大すると予測されている。その背景には、アフターメンテナンスを収益の柱にするだけの技術的な環境が整ってきたことが挙げられる。AI、IoT、5G……などの技術を生かし、顧客に新しい価値を提供し、利益を得る手法が確立されてきた。 アフターサービスというと「売ったものが壊れたら駆けつけ、部品を交換して直す」という旧来のイメージがあるが、DXを用いたアフターメンテナンスは新しいビジネスモデルである。機械を納め、その稼働状況のデータをリアルタイムで入手して分析し、顧客にサービスを提供する。すでに多くの企業が自社製品を対象に、サービスを展開してはいるが、これだけではなかなか事業拡大は難しい。重要な点はいかに多くの、多種多様なデータを集められるかであり、さまざまなデータを集めれば集めるほど高度で多面的なサービスを生み出すことができる。 自社が売ったものだけでなく、他社のあらゆる事業の製品、さらには外国製品からもデータを収集してAIで分析すれば、非常に質の高いサービスを生み出すことにつながる。 4 おわりに 賃金を上げる方向に向かうDX投資と簡単に言うが、上述したように、抜本的な発想の転換が必要になる。異次元の経営と言っても過言ではない。そうした革新的な取り組みにチャレンジし、成功した企業だけが、第四次産業革命を生き抜き、従業員の賃金を上げ、優秀な若者の人気就職先となり、繁栄するのであろう。 脚注 ^ 下記を参照https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/international_trend_summary2020.pdf ^ 下記を参照https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/20/backdata/1-3-16.html ^ 賃金が長期に渡って停滞した要因に関する分析は下記が詳しい。深尾京司(2021),『労働生産性と実質賃金の長期停滞:JIPデータベース2021および事業所・企業データによる分析』,経済産業研究所セミナー,2021年12月9日https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/21120901_fukao.pdf ツイート 2021年12月22日掲載 印刷 この著者の記事 第166回「テレワークが減少している」 2024年4月 3日[IoT, AI等デジタル化の経済学] 第165回「生成AIが雇用に与える影響」 2024年3月 6日[IoT, AI等デジタル化の経済学] 第164回「DXからみたグローバル・ニッチトップ企業の日独比較(6)」 2024年2月21日[IoT, AI等デジタル化の経済学] 第163回「DXからみたグローバル・ニッチトップ企業の日独比較(5)」 2024年2月 1日[IoT, AI等デジタル化の経済学] 第162回「DXからみたグローバル・ニッチトップ企業の日独比較(4)」 2024年1月29日[IoT, AI等デジタル化の経済学] コラム・寄稿 コラム Special Report EBPM Report フェローに聞く フェローの連載 世界の視点から 特別コラム 新春特別コラム:2024年の日本経済を読む~日本復活の処方箋 新春特別コラム:2023年の日本経済を読む~「新時代」はどうなる EBPMコラム 新春特別コラム:2022年の日本経済を読む~この国の新しいかたち 新春特別コラム:2021年の日本経済を読む〜コロナ危機を日本経済再生のチャンスに 特別コラム:新型コロナウイルス-課題と分析 新春特別コラム:2020年の日本経済を読む 新春特別コラム:2019年の日本経済を読む 新春特別コラム:2018年の日本経済を読む 新春特別コラム:2017年の日本経済を読む 新春特別コラム:2016年の日本経済を読む 特別コラム:RIETIフェローによるTPP特集 新春特別コラム:2015年の日本経済を読む 新春特別コラム:2014年の日本経済を読む 新春特別コラム:2013年の日本経済を読む 新春特別コラム:2012年の日本経済を読む 特別コラム:東日本大震災ー経済復興に向けた課題と政策 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