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(藤好先生)イギリスがブレグジットに踏み切った理由は大きく分けて三つあると考えています。一つ目は移民の問題。イギリスに住むポーランド人の数は、2001年には約5万8千人でしたが東欧諸国がEUに加盟したことなどから2016年には100万人を超えました。つまり、15年ほどの間に約94万人もの人が移住してきたことがわかります。離脱を決めた2016年ころには毎年、EU各国からの移民だけで年20万人が純増していました。こうした事実とEU離脱派のプロパガンダを受け、EU離脱派のイギリス国民の中で「職が奪われる」「学校や病院が足りなくなる」といった不満が高まっていったのです。 二つ目は格差の問題。世界の貧困問題などに取り組む国際非政府組織(NGO)オックスファムの調査では、2017年に世界で新たに生み出された富の82%を、世界の最も豊かな1%が手にしたことが明らかになりました。諸外国と比較しても、階級社会が色濃く残るイギリスではこうした格差問題が顕著で、格差に対する不満が国内で高まっていたということも理由の一つです。 三つ目はEU離脱主導派の巧みな話術です。「テイクバックコントロール」という言葉がありますが、これは「自分たちでコントロールする権限を取り戻そう」という意味です。移民問題や、EUが握る様々な権限をふまえ、「はたしてイギリス人のアイデンティティは保たれているのか」という国民への問いかけを行うことで、EU離脱へと結びつけたわけです。 さらに自国のルールをイギリス国民だけで決められないうえ、英国はEUへの純拠出額が3番目に多いことから、「払った税金もEUにコントロールされてしまうのはおかしい」といった批判が広まって今回のブレグジットへ踏み切るきっかけになったのだと思います。 ブレグジットはいまどうなっているのか? (編集部)現在、ブレグジットはどうなっているのでしょうか? (藤好先生)ご存じの通り2020年1月末で正式にEUを離脱し、2020年12月末までは通商協定の交渉を行う「移行期間」として、今まさに交渉が進められています。9月29日から、9回目の公式協議がイギリスとEUの自由貿易協定(FTA)(※1)の締結交渉が行われました。 (※1)特定の国・地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定。関税や非関税障壁をなくすことで締結国・地域の間で自由な貿易を実現し、貿易や投資の拡大を目指すもの。 EUはイギリス沖合での漁業権のあり方や、イギリスとEUそれぞれの企業が公平な条件で取引ができる制度を求めています。これを「レベルプレイングフィールド」というのですが、例えばイギリスが車や鉄鋼などを輸出する場合に勝手に補助金をつけてしまうと、貿易競争として成り立たなくなります。EUがイギリスに対し、競争状況を公平にするよう強く求めているのが現状です。 イギリスとEUは、FTAの締結に合意し、10月末までに協定案に正式署名を目指していましたが、双方にはなお隔たりがあります。 そういった中、ジョンソン英首相は9月に、すでに発行済みのEUとの離脱協定の一部を反故にする「国内市場法案」を提出、29日に英下院を通過しました。 EUは「国際法に違反し、EUと英国間の離脱交渉を脅かす」と激しく反発し法的手続きに入る文書を英国に送付しました。英国でもブレア元首相ら存命中の首相経験者が批判するなど混乱に拍車がかかっています。ジョンソン首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長は会談で、英EUのFTAを合意させることが重要であることを確認し、交渉は続いていますが、交渉の先行きは極めて不透明です。 仮に何の貿易協定も結ばれずEUを離脱した場合、いきなり関税が発生したり、通関手続きにより大渋滞が起こったりするハードブレグジットで混乱が予想されます。欧州産業連盟などは、合意なき離脱となれば企業は壊滅的な影響を受けると厳しく警告しています。英国は最悪の事態を回避するため米国や豪州など他国とのFTA締結を急いでいますが、これも容易ではありません。 EUはイギリスの輸出の4割超を占めるうえ、法の下の平等など価値観も共通で、重要なパートナーであることには変わりはなく、与党の中からも合意なき離脱状態となれば経済が低迷し“英国病” (※2)と言われた1970年代戻ってしまうとの警告する声も出ています。 (※2)第二次大戦後のイギリスで、経済の成熟に伴い起こって来た、生産性や勤労意欲の低下など、社会・経済の停滞をもたらす現象。 ジョンソン首相の政治手腕とキャラクター ジョンソン首相(写真:shutterstock) 批判されたコロナ対策 (編集部)イギリスのコロナ対策はどのようなものだったのでしょうか? (藤好先生)イギリスは初め、「集団免疫」を獲得するための政策を打ち出していました。政府があえてコロナ対策を講じないことで、イギリス国民約6600万人の60%をウイルス感染させ、国民全体の感染爆発を防ぐ効果を狙っていたのです。しかし、当然これには多くの死者が出ると批判が集まり、結果的にイギリス国内での感染者数を増やすきっかけになってしまいました。 そして3月23日にロックダウンに踏み切りました。これはイタリアやフランスに比べて1、2週間ほど遅い対応です。この外出制限の遅れによって感染状況が悪化し、経済活動にも大きな影響が及びました。ホテルや飲食店は非常に厳しい状況に追い込まれ、さらにはジョンソン首相自身もコロナに感染し、「他のやり方で、できたことがあったかもしれない」と発言するなど、初期対応について反省すべき事態となりました。 実際のところ、イギリス国内はブレグジットの影響よりもコロナの影響の方が大きいので、コロナの影響で不安定になった経済を立て直す政策の中にブレグジットがあるという認識が今は正しいでしょう。 ジョンソン首相、実は人気者? (編集部)コロナ対策への批判が集まったジョンソン首相ですが、一方で施策の失敗を認め謝罪し、SNSで国民に演説したことで支持率が上がったという話もありました。ジョンソン首相とはどのような人物なのでしょうか? (藤好先生)英国ではコロナで死者が急増したことなどから支持率は以前と比べると落ちています。とはいえ人気は根強いイメージです。 これまでのイギリス首相を見ると、チャーチルやサッチャーら歴代の首相は国民から姓で呼ばれていました。しかし、ボリス・ジョンソンだけは「ボリス」と名前で呼ばれています。ジョンソン首相がロンドン市長を務めていたころも、自転車で移動する姿が注目されたり、髪型がボサボサであることが話題になったりと、国民にとっても非常に親しみやすいキャラクターなのではないかと思います。 そういった姿から、少し庶民的な印象を持たれがちですが、私は計算高く政治活動を行っているように感じます。彼は昨年議会を閉会させ、前任のメイ前首相も通すことができず実現不可能といわれていたEU離脱法案を可決させました。英最高裁は閉会させたことは違法だと認定しましたが、議会制民主主義を生んだイギリスで、このような大胆な行動をとったことに驚きを隠せない国民も多かったことでしょう。 選挙の際には、“Get Brexit done(EU離脱を実現しよう)”という標語を打ち出し、ショベルカーでパフォーマンスをするなどして人気を集めました。ラテン語やギリシャ語でジョークを言うようなユーモアも、国民から支持されている理由なのかもしれません。ただし国内市場法案のみならず、側近政治の強引さなどには与党・保守党からも批判も高まっています。 ブレグジットで日英関係が親密に!? (写真:shutterstock) 日英FTAの進捗 (編集部)ブレグジットによって、今後日本との関係はどのように変化するのでしょうか? (藤好先生)日本とイギリスは、9月11日に、経済連携協定(EPA)(※3)交渉で大筋合意しました。日本にイギリス産チーズの輸入枠を設けさせて国内向けのアピール材料としたいイギリスに対して、日本は農産品分野でEUとのEPAを超える内容は認められないと主張し、それが受け入れられました。日英は、日欧のEPAを基礎として背景があるため、順調に進みました。ブレグジットに伴う移行期間が終わる2020年12月末までに妥結・批准し、2021年1月1日の発効を目指しています。 (※3)FTAを柱に、ヒト・モノ・カネの移動の自由化、円滑化を図り、幅広い経済関係の強化を図る協定。FTAは関税の撤廃・削減を定めるのに対し、EPAは関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含む。 もし、イギリスがEUから離脱したとしても、引き続き欧州の玄関口であることに変わりありません。しかし、EU離脱に伴い供給網の不確実性が増せば、海外戦略を見直さざるを得ないのも事実。一方で、日英のFTAや、イギリスが環太平洋経済連携協定(TPP)(※4)について2021年初めに正式申請したいとの意向を示したことで、日英関係が深まる可能性もあります。 (※4)環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした、多角的な経済連携協定。参加国は工業品の場合、品目ベースで99.9%を撤廃する。加盟は11カ国。米国は離脱した。 現在、ブレグジットやコロナの渦中で、イギリスはさまざまな課題を抱えています。まずは経済的な安定と格差社会の改善を図るべきだと思います。EU残留派が多いスコットランドが独立色を強めるなどイギリス分断の危機もささやかれているため、今後もジョンソン首相の政治手腕が問われるでしょう。 まとめ ブレグジットの移行期間の終了も目の前です。ジョンソン首相はグローバルブリテンを掲げていますが、それは国も関与しながら生産性が高い分野で世界的な競争に打ち勝つ一方で、安全保障や得意の諜報力をテコに外交力でイギリスが時代を切り開く構想と言えます。人気の高かったジョンソン首相ですが、最近の支持率は低下しており、今後どのような動きをするのか注目です。 この記事をシェアする! プロフィール 藤好 陽太郎 (ふじよし ようたろう) 追手門学院大学 経済学部 経済学科 教授専門:国際経済論(イギリス経済・英連邦) 1989年 東北大学 経済学部 卒業 1989年~ 毎日新聞社入社 東京本社経済部(旧大蔵省、日銀、経産省、内閣府など担当)、欧州総局(ロンドン)、大阪 経済部長、論説委員などを歴任。 2018年〜 追手門学院大学 経済学部 経済学科 教授 主な著書に『あなたの値段-当世給料事情』(2004年 共著)、『民主帝国 アメリカの実像に迫る』(2003年 共著)など 研究略歴・著書・論文等詳しくはこちら 取材などのお問い合わせ先 追手門学院 広報課電話:072-641-9590メール:[email protected] 追手門学院大学HPへ HOME > グローバル > ブレグジットはいま?コロナでも注目イギリス ジョンソン首相の手腕 関連記事こちらの記事もおすすめです! 2024.05.15 グローバル 日本の英語教育の現在地。学習指導要領から読み解く英語力を伸ばす授業とは? 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